今回は、LINEスタンプを作って販売してみた体験談を書きます。
自分なりの感想と考察をまとめてみましたので、
LINEスタンプ作りに興味のある方の参考になれば幸いです。
初めてのスタンプ作り
まだイラストを描きはじめて間もない、2022年2月下旬。
LINEスタンプ作りは、娘の気楽な一言から始まりました。
LINEスタンプでも作ってみたら?
そういえば、作ってみようかなぁと、素直に思う母。
LINEスタンプ販売について、ネット検索で下調べしてみました。
そして分かったことはこちら。
- 今は、作って売る人が非常に多く、スタンプの数が飽和状態で、稼ぎにくくなっている。
- 売れた時の利益もわずか(120円のスタンプが一つ売れた場合の分配金は、31円か42円)
- ひとつも売れないこともあるらしい
なかなか厳しそうです。
しかし、一度データを上げてしまえば、何度でも売ることが出来るLINEスタンプは、一度やってみたい販売形態。
作りながらイラストの練習にもなればいいと思い、作ってみることにしました。
ラフ案作り
この時、どこまでイラストで表情やポーズを描き分けられるのか、未知数でした。
描いてみないと分からないということで、とりあえず自分に描けそうな うさぎのイラストで、ラフ案を描いてみました。
らくがき感覚で、思いついた順に描いて行きました。
この感情の時の表情とポーズは、どうやって描くんだっけ?とか考えながら、修正しつつ、形にしていきました。
描き分けも大変なのですが、40個という数が思ったより多くて大変。
最後の方、ネタ切れになってきますが、絞り出します(笑)。
描いてみたら、予想よりは描けたという感想です。
娘も「(スタンプになったら)使う〜!」
と言ってくれたことだし、制作に取り掛かることにしました。
スタンプ作成本番
スタンプの内容で気をつけたのは、以下のことです。
- 自分の経験上、よく使いそうなスタンプ
- LINEスタンプショップで、よく作られているスタンプをざっと見て研究
- LINEをよく使う高校生の娘の意見を取り入れる
これらのことを考慮して、スタンプの絵柄をラフ案から変更したりしながら、イラストを描いていきました。
コピー(複製)が簡単に出来ることが、デジタルで描く良さなので、頭や体の輪郭の使いまわせそうなところは、なるべくコピーし、表情やポーズだけを変えるようにして、効率良く描くようにします。
意外と手間だったのが、イラストに塗り残しがないかチェックする作業と、文字に白い縁を付ける作業。
LINEスタンプは背景透過のpng形式で作るため、忘れがちな白いところも、白で塗りつぶす必要があります。
また、文字に白縁がないと、トーク画面の背景の色によっては文字が読みづらくなってしまいます。
宣伝せずに販売するとどうなるか
そして、他の細かい工程は省略しますが、無事に販売開始したうさぎのLINEスタンプ。
販売開始を知っているのは、娘と自分のみ。私がイラストを描いていることは、友達や知り合いには言っていないし、SNSもしていなかったため、宣伝なしです。
LINEスタンプショップの、新作スタンプのところに出ているはずなので、見に行ってみました。
かなり沢山スクロールして、やっと見つけました。
案の定ですが、大量の新作スタンプに、埋もれておりました😂
ちょっと甘く見てました。
新作スタンプの数が本当に多いんです。玉石混交ですが、毎日こんなに大量に新作が出ているとは・・
これでは、スタンプの出来や画力の問題を別にしても、売れるわけがありませんね(泣)
それでも、発売から数日以内に購入してくださった方が1名おられました。どうやって見つけてくださったのか分かりませんが、本当に有難かったです。
それと、娘が友達一人だけに私が描いたことを知らせたそうですが、その子が「かわいい」と言ってすぐに買ってくれたそうです。これも嬉しかったです。
スタンプの売れ行きと考察
その後作った別のスタンプも含めて、自分なりに考察してみました。
白いうさぎ
自分にとって描き易かったうさぎで作った、最初のスタンプ。
しかし、うさぎのスタンプは、スタンプショップで数が多すぎます。検索をかけると、大量に出てきます。
クリエイターが描きやすいモチーフで、使う方の需要もある。
そのため、類似品・ライバルが多いし、作ってもすぐ埋もれてしまいます。
有名イラストレーターか、自分のイラストによほどの魅力がない限り、ヒットを飛ばすのは難しそうだと思いました。
絵だけでも誰かに見てもらおうと、Instagramに投稿してみましたが、売り上げは変化なし。
購入してくださった、数名の方に感謝。
女の子とうさぎ
2番目に作ったスタンプ。
これは、白いうさぎのスタンプの数倍の制作時間がかかりました。
イラスト初心者としては、スタンプ一つの絵を描くのに、一苦労。
今見ると、描き直したいところもありますが、良いトレーニングになったと思います。
Instagramでも投稿しましたが、売り上げは白いうさぎとほぼ同じ。
LINEスタンプは、描き込んだからといって売れるわけではないということですね。
そして、人物のイラストは、使う人を限定しやすいと思いました。
例えば、女の子のイラストは男性は使いにくいし、女性でも、絵柄の好みが分かれやすいと思います。
そして、女の子のイラストを可愛く描くクリエーターはたくさんいるため、こちらもうさぎと同様に競争率が高そうです。
ナマケモノ
3つ目に作ったこのスタンプが、一番売れています。
個人的にナマケモノが好きで気になる動物なので、スタンプにしてみました。
スタンプショップでナマケモノを検索すると、うさぎに比べるとぐっと数が減ります。好き嫌いが分かれる動物かもしれませんが、ナマケモノ好きな方は確実にいらっしゃるようで、そういう方の需要がありそうです。
また、ありきたりなスタンプをただナマケモノの絵で作るのではなく、
ナマケモノが言えば面白そうなセリフを考え、独自性を出しました。
このナマケモノのイラストだけでInstagramアカウントを作り、投稿。
ゆるくて簡単なイラストの割には、フォローしてくださる方が予想以上に多かったです。
そして、時々購入してくださる方がいらっしゃいます。
イラスト初心者がLINEスタンプを作るメリット
人気イラストレーターでもない無名の一般の人が、LINEスタンプを見知らぬ人に購入してもらうのは、なかなか難しいことです。
そして、スタンプを作るには、イラストを描く技術も必要ですが、ネタを考える発想力も必要です。
しかし、いろいろなバリエーションのイラストを描く練習にもなりますし、
何より、売り物であることを意識して描くことで、自分一人で練習するよりも緊張感が生まれ、上達につながるのではないかと思いました。
また、お客さんの依頼で描くクライアントワークではなく、気に入ってくださった人だけが購入者になるため、気楽に取り組みやすいのではないかなと思いました。
おわりに
気軽に始めたLINEスタンプ作り。思ったより手間がかかり大変なこともありました。
しかし、様々なスタンプが無料でも手に入るなか、お金を払ってスタンプを購入してくださる方が数名でもいらっしゃることには、感謝していますし、貴重な経験となりました。
自分のイラストが商品になる体験。
迷っている方がいらっしゃったら、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。